トップページ > 子育ての医学情報 > 2016.08.19

子育ての医学情報

誤飲のトップに躍り出た「医薬品の誤飲」の防止策

薬の誤飲が、子どもの誤飲のトップに

 2016年7月15日、厚生労働省は、子どもによる薬の誤飲事故を防ぐため、シールをはがさないと錠剤を押し出せないなど、乳幼児が容易には開けられない包装について検討するように製薬業界に通知を出しました。
 厚労省が2015年4月に発表した、家庭での子どもの誤飲事故に関する2013年度版調査結果では、医薬品や医薬部外品などの「薬」の誤飲が1位でした。1979年度に調査を開始して以降、1位は「たばこ」の誤飲でしたが、2013年に、「薬」がこれを初めて抜いたのです。

異状が確認できない誤飲はもっと多いはず

 薬の種類でもっとも多かったのは「中枢神経用薬」(26件)で、「一般精神神経用」薬(15件)、「循環器官用薬」(9件)といった順です。
 症状別の件数では、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの「消化器症状」、せき、呼吸時の気道雑音などの「呼吸器症状」が多く、意識障害、眠気などの「神経症状」がこれらに続いています。2013年度に死亡例はありませんでしたが、「入院」「転科」「転院」となったものが合計30件ありました。
 ここで注意しなければならないのは、子どもの誤飲を目撃して医療機関を受診するというのではなく、子どもの異状に気づき、その原因が薬の誤飲であると判断して、医療機関を受診する例がほとんどだろうということです。逆に言えば、異状が確認できず、誤飲に気付かない例も数多くあるであろうことが推測できます。誤飲した薬の種類で、精神神経系が多いのは、明瞭な症状が出やすいからとも考えられます。つまり、子どもの薬の誤飲は、もっと多いであろうと考えられるのです。
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睡眠薬や糖尿病治療薬、降圧剤は特に要注意

 こうした状況を問題視した消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)が、厚労省に誤飲防止対策を要請し、厚労省は製薬業界に対して、乳幼児が包装を開封するリスクを再検討することを促したわけです。
 ちなみに乳幼児が開けにくい包装は、「チャイルドレジスタンス包装」と呼ばれています。また、開けにくい包装は、高齢の患者さんの利用にも支障が出やすいので、子どもは開けにくく、高齢者は開けやすいという状態が求められ、簡単ではありません。
 中毒症状が出やすく、深刻の症状になりやすいのは、睡眠状態になる睡眠薬や血糖値を下げる糖尿病治療薬、血圧を低下させる降圧剤などであり、こうした医薬品の包装には、特に慎重さが求められています。

しまっておいても、手が届けばリスクはある

 薬を子どもが誤飲するということは、「開けにくい包装」という課題以前に「子どもの手の届くところに薬を置かない」という課題が意識されなければなりません。
 しかし、実際にわが子による医薬品の誤飲事故や誤飲未遂を経験した保護者に実施したアンケート調査結果では、35.1%の保護者は「子どもによる誤飲事故の存在を知らなかった」と回答し、59.5%は「子どもによる医薬品の誤飲に対して注意喚起を受けた経験がない、あるいは覚えていない」と回答しています。
 誤飲事故を起こした年齢は、「たばこ」が6~17ヵ月児で多いのに対して、「医薬品・医薬部外品」は1~2歳児に多く発生しています。このデータは自分で包装を開けられる年齢に、「医薬品・医薬部外品」の事故が起きていることを意味しています。この世代の子どもたちは、お母さんのハンドバックを開けて薬を飲むといった手のこんだこともでき、しまっておいても手の届くところにはリスクがあると考える必要があります。乳幼児のいる家庭では、家族が服用している薬の管理を家族全員で心がけるようにしてください。
 なお、誤飲時の相談先は、大阪中毒110番(072-727-2499、24時間対応)、つくば中毒110番(029-852-9999、午前9時~午後9時)などがあるので、不安な事態が発生したときには迷わず相談をしてください。

公益財団法人 日本中毒情報センター http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf

記事ナンバー294/2016.08.19より掲載
文・恵志泰成  監修・中原英臣 イラスト・山本正子

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